
山形県には4つの味があり、大きく分けると醤油と味噌の2大勢力があるのはご存じですか?
子姫芋が栽培されている寒河江市(寒河江市と中山町の間を流れる最上川の河原が芋煮会発祥の地)を含めた村山地方、新庄市を中心とした最上地方、米沢市を中心とした置賜地方、中身は多少違いますが牛肉が入った醤油ベースです。
日本海沿いの庄内地方は豚肉が入った味噌ベースです。
また「芋煮会」は山形県が発祥であることは間違いないのですが、東北全域で「芋煮・芋の子汁」(中身はだいぶ違うようですが)が食べられているそうです。

さて寒河江市でも最もなじみのある「村山地方の芋煮」は、里芋の他は牛肉・ネギ・ゴボウ・キノコ・コンニャクが入ります。
置賜地方はこれに豆腐を入れたり大根を入れたりするそうで、こんにゃくも糸コンだそうです(友人談)。
最上は牛肉だと言う人もいれば豚肉だという人もおりました(周囲の友人談)。
いずれにせよ、醤油と酒、砂糖で味付けされており、初めて食べる他県の方からは「え?醤油の汁物で甘いなんてあり得るの?」とびっくりされますが、その美味しさに納得します。
牛肉と甘辛い醤油味なので、全く知らない方には「すき焼きの味付けにも似ている」と私は説明します。

一方庄内地方の芋煮は、里芋は同じなのですが、牛肉ではなく豚肉を使っているほか、特徴的なのは厚揚げなどが入るところです。
村山地方では、家庭であれお店であれ、庄内地方の芋煮を食べることはほとんどできません。
なお写真は4地方の芋煮が全て食べられる山形駅前にある居酒屋「山形長屋酒場」さんに主旨を説明し、注文して撮影させて頂きました。
村山地方の芋煮しか食べた事無いので、庄内地方の芋煮を食べると「これが芋煮?」と思うのですが、上述のように東北地方の広範囲で見ると、牛肉&醤油は稀らしく、ぐるっと周囲を豚肉&味噌に囲まれているようです。
山形にまだ来たことが無く、山形の芋煮を食べたことのないあなた!
クックパッドなどにもレシピが載っておりますので、ぜひぜひ秋は芋煮、試してみて下さい。きっと山形を近くに感じるはず。
・・・でも一度食べてみないと「え?何この甘い汁?本当にこのレシピで良いの?」となっちゃうと思うので、まずは一度山形へお越しくださいませ。